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2008年12月 アーカイブ

2008年12月02日

【12月2日号】  「たまごが先か鶏が先か」

景気悪化のニュースはとどまるところを知りません。

それでもまだ序の口ではないかと思うほど、
今回の経済危機は深刻です。

そういった中、2009年の予算編成と税制改正も大詰めになりました。

この不景気の中、どういった税制にするのか、これは非常に重要です、

不景気だから税収が悪いのは決定的です。

そして国債もこれ以上は発行できません。

最終的に目指すところは「財政再建」。

これ以上国債を発行しないで、日本経済を廻すことです。

そのためには2つの道からどちらかを選ばなければいけません。

「緊縮財政+増税」で国家のふところをまずは暖めるか、
それともざらなる景気対策を打って中期的な視点で財政再建を図るか。

たまごが先か鶏が先か、の話ですね。

1997年に山一證券が破綻しアジアの金融が危機的な状況になったときは、
橋本政権は「緊縮財政」を選択しました。

結果はデフレになり、消費のさらなる冷え込みを誘い、
長引く不景気の一因になりました。

バブル崩壊後の失われた10年を決定付けた出来事です。

この反省を生かすならば、やはり景気対策が優先なのかもしれません。

しかし先進国の中でも最悪の国債を発行している今の日本。

GDPの1.8倍もの額です。

2011年にはプライマリーバランス黒字化を訴えていましたが、
ここで国債の発行を増やせば実現は断念せざるを得ません。

財政再建優先か、国債をもっと発行する財政出動で景気を刺激することを優先するか。

どちらが正解かは誰もわかりません。

もしかしたらどちらを選択しても待っているのは地獄かもしれません。

しかしどちらかを選択して、
選択したらこれが正しい選択だったと信じ進むしかないのでしょう。

今回は「日本国」はどちらの道を選択するのかしっかり見ていきたいと思います。

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2008年12月03日

【12月3日号】  「合理的期待仮説なるもの」

「来年から消費税があがります!」

すいません、ガセネタです。

でも、もし本当ににそうなればどうされますか?

そりゃ大変だとモノを大量に買う。

そりゃ大変だと貯金しておく。

どちらの行動を取りますか?

今日の日経にはこの問に対する回答が載っています。

答えは「貯金する」人が多いそうです。

これはアメリカの経済学者のルーカスやサージェントと言う人が唱えた説で、
「合理的期待仮説」と言います。

もちろん個人差はあるでしょうし、必要なものは買うかもしれません。

でも全体的にみると「貯金」のほうが多くなるということです。

人は情報を利用して合理的に行動するという仮説ではありますが、面白い話ですね。

麻生さんは景気が良くなれば3年後に消費税を上げると言っています。

しかし「合理的期待仮説」によると、
増税が将来に控えていると人は消費を控えるので景気は良くならないのです。

合理的期待仮説は経済学の極論的な思考法です。

もちろんその通りになるとは思いません。

しかし今の日本の状況を考えると「景気をよくして税収を上げる」というシナリオは
合理的期待仮説によらずとも難しい話だと思います。

今のところは選挙対策もあり、自民も民主も「増税より景気刺激」と言っています。

しかし2008年の税収見込みは当初の予想の53兆円より6~7兆円減る見込みです。

景気刺激に財政出動をして、その結果景気も良くならず税収も上がらず国債だけ増えたとなると本気で日本経済が破綻しそうで心配です。

本当に景気が良くなる「財政出動」を期待しています。

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2008年12月04日

【12月4日号】  「これからの税制予定が考えられてます」

「昔はちゃんとするって言ってたのに・・」

夫婦の痴話げんかのひとコマではありません。

日本の財政の話です。

重症の日本財政を立て直すべく小泉首相時代に
「2011年には国債発行なしで国の運営ができるように頑張ろう」という
「プライマリーバランスの黒字化」を目指すことを決めました。

しかしこの「100年に一度の金融危機」と言われる今日、
歳出を増やす圧力があっちこっちで上がっています。

財政制度審議会という「プライマリーバランスの黒字化」を一番進めている集団までもが
「特例」を認める発言をしています。

事実上2011年のプライマリーバランス黒字化はもうないですね・・。

そんな中、2010年代の半ばくらいまでの税制改革の予定表となる
「中期プログラム」の議論がさかんになっています。

その内容はこんな感じです。

法人税は「課税対象を拡大して税率を下げる」
消費税は「社会保障費の穴埋めとして引き上げる。時期は景気回復を前提に3年後くらい」
所得税は「いろいろな所得控除見直しと税率区分の見直し」
だそうです。

法人税は要注意です。

単純な減税ではありません。

「課税対象を拡大して」です。

どういうことかというと、
税金をかける「利益」の概念を広げるということです。

例えば、今交際費は90パーセントが経費になります。(中小企業の場合)

もしこれを50パーセントだけにすれば、そのぶん「課税ベース」は拡大するのです。

単純に減税するような余裕はないですからね。

さてこの「長期プログラム」

基本は増税ですが、時期が明記されず緩やかな感じがします。

これも「昔はするって言ってたのに・・」にならなければ良いですが。

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2008年12月05日

【12月5日号】  「株、変わる」

「銘柄を買うな、時を買え」

これは株式投資に関する有名な格言です。

株はタイミングが命、時流を見切って売買しなさいという意味です。

しかし「時流」は株式相場だけのことを言うのではありません。

株を取り巻く環境、例えば税制の変化も「時流」の一つです。

証券税制は来年から大きく変わります。

来年の主な改正点は次のような点です。

①上場株式の譲渡損失と配当の相殺が可能になります。

②上場株式の譲渡益に対する課税は譲渡所得が500万円までは10パーセント、
500万円を超えると20パーセントになります。

③配当に対する税金は100万円までは10パーセント、100万円を超えたら20パーセントです。

これらの改正のわかりやすい解説が載っているサイトを
日経新聞で紹介されていました。

・金融庁「証券税制が変わります」
http://www.fsa.go.jp/ordinary/zeisei/index.html

・NIKKEI NET 「マネープラン 新証券税制」
http://markets.nikkei.co.jp/plan/zeisei.aspx

・野村證券 「証券税制について」
http://www.nomura.co.jp/service/account/tokutei/taxsystem.html

興味のある方はご覧ください。

今、証券税制はいろんな意味で変化の時期なのです。

株式相場の低迷は周知のことですが、それだけが要因ではありません。

日本の株式に関する税金が高いために海外で株を運用する人も増加してきているのです。

これでは日本では税収が上がりません。

金融所得は「足の速い所得」と言われます。

どういうことかと言いますと、「海外に逃げていきやすい所得」ということです。

例えば労働の対価である「給与所得」は日本で働けば日本で課税されます。

海外の税金が安いからと言って、そう簡単に海外で働けるわけではありません。

しかし金融所得は簡単です。

海外の投資会社に外貨で投資すればいいだけ。

別に引越しをする必要もなくパソコンの中だけで簡単にできてしまいます。

そうすると課税は海外で発生しますので日本では税金が取れない。

このような問題もあり、金融所得はいろいろな改革が迫られているのです。

今回の「配当と株の譲渡損」の損益通算はその一環です。

今後も金融所得の一元化は進みます。

株をする人は「税制の時流」も確認してください。

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2008年12月09日

【12月9日号】  「税収が9割減る市」

かの有名な企業城下町が悲鳴を上げています。

金融危機で税収が激減するからです。

うすうすはわかっていたはずですが、まさか9割減とは!

それどころか、税収の半分を予定納税で先に払ってもらってますので、
150億円の還付です!

その市とは「豊田市」です。

日本でもっとも有名な企業の町「豊田市」。

前年は市民税収が442億円ありました。

ところがこの金融危機で税収はなんと400億円が減少する見込みです。

この影響は連鎖します。

市の建設事業費が35パーセントカット。

当然工事関係の企業は不景気になります。

そうすれば飲食店や小売業者も

さらにマンションや車などの大型の買い物も買い控えられます。

そして来年の税収がまた落ちる。

ますます続く負の連鎖。

不景気が大手を振って歩く“冬の時代”が到来しそうです。

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2008年12月12日

【12月12日号】  「税制大綱発表直前」

今日2009年の与党税制大綱が発表されます。

「与党税制大綱」というのは自民党と公明党の税制調査会が毎年12月に翌年の税制の見直し項目や課題についてまとめる文書です。

政府はこの文書にもとづき法案を策定して翌年の通常国会に提出するので、この文章の内容が施行される可能性が高くなります。

文書には、翌年の税制改正の具体的な内容や検討事項が記載されています。

今年は目玉がたくさんあります。

その中で法人にもっともインパクトが大きいには「法人税率引き下げ」ではないでしょうか。

逆に所得税の最高税率が引き上げが盛り込まれる可能性もあり、
個人と法人の税金バランスに変化が起きそうです。

あと、個人の生命保険料控除も改正される見通しです。

現状は「一般」「年金」という2つの分類でそれぞれ上限5万円までとなっています。

これに「老後・医療など」の分類が加わり、各グループの上限を4万円とする案が出ています。

今日の正式決定でどうなるか確認したいところです。

ちなみにこの「税制大綱」とは別に「中期プログラム」というのが年内に発表されます。

これは2010代半ばまでの中期的な視点での税金の方向性を示すもののことです。

社会保障の安定財源確保や成長力強化、格差是正などに対応するため、消費税、法人税、所得税、資産課税などの改革の方向性を示しています。

この中に麻生さんは「3年後の消費税アップを明記して欲しい」と発言していました。

しかし公明党の反対もあり税率アップの時期を明記しないことに決定しました。

結局首相の発言力が弱いということですね。

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2008年12月16日

【12月16日号】  「特別会計ってなんだ?」

「景気悪いね」

最近の挨拶です。

先が見えない昨今の状況に政治も経済も動きが盛んです。

もちろん、税金も。

政治では予算編成に埋蔵金の取り崩しをすることになりました。

埋蔵金とは特別会計での積立金や剰余金などの余っているお金のことです。

特別会計というのは福祉や教育、国防など国民に広く行われる事業ではなく、特定の事業のために設けられた会計のことを言います。

日本の財政には「一般会計」と「特別会計」の2つがあります。

「一般会計」は社会保障費や教育費、国防費などにいくら使うかを決めるもので、
約90兆円くらいになります。

これに対して「特別会計」は31の会計の合計で、
厚生保険特別会計や道路整備特別会計財政投融資会計などがあります。

本来は国の財政を全て「一般会計」で統一すればよいのですが、
行政活動がさかんになると、それぞれの事業の運営成績などを管理していく必要が出てきたのです。

そこで生まれたのが「特別会計」です。

その合計額は230兆円ほどで一般会計よりずっと多いのです。

しかし、一般会計のように新聞やニュースでさかんに報道されることがありません。

そのため国民に不透明な状況になり「埋蔵金」と言われるようになりました。

今回はこの特別会計のうち「財政投融資特別会計」の積み立てている資金を取り崩して生活対策などに転用することを検討しています。

いままで、法律的に転用が認めれれていなかったので転用したことはありません。

しかしこの不景気。

政府は法律を変えてでも「埋蔵金」を一般会計に廻すつもりです。

個人的にはお金が余っている場所があるなら、
不足しているところにドンドン廻せばいいと思っています。

特に中小企業の資金繰りは非常に苦しくなっています。

金融強化法も明日施行されて銀行の中小企業向け融資が強化されますが、
もっと積極的に融資を拡大していって欲しいです。

そのための資金源としても埋蔵金が活用されればいいと思います。

なりふり構わずにこの不況を打開する政策を打ち出していってほしいです。

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2008年12月17日

【12月17日号】  「総理、あてつける?」

経済財政諮問会議が税制改革の中期的な構想を盛り込んだ「中期プログラム」を発表しました。

経済財政諮問会議というのは小泉さんの時代に官邸主導の政治を実現するために力を付けた会合です。

つまり「総理のブレーンが全ての経済や財政問題について発言力を発揮したい」ということですね。

現実には税金(国税)は財務省、税金(地方税)は総務省、社会保険は厚生労働省が影響力を持っています。

これに対応するために首相を議長として、日本銀行総裁や民間企業のトップ、総務大臣、財務大臣などがメンバーに入っています。

ただし最近は発言力が低下しているのが現状です。

中期プログラムには消費税増税のことも盛り込まれています。

上げる時期は2011年。

法律は2010年には作るとのこと。

上げ幅は具体的に示されませんでしたが、2015年までに段階的に上げていくということになっています。

麻生総理の自論だった「3年後増税」がとりあえず形になった格好です。

先日の与党の税制大綱では自論の「3年後」が盛り込まれず、
面目を失っていた総理ですが、自分の息のかかった「中期プログラム」では盛り込んできたようです。

これが最終決定ではありません。

それどころが増税までには一波乱も二波乱もあることが予想されます。

しかし、徐々に徐々に増税の時期は近づいてきているようです。

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2008年12月19日

【12月19日号】  「ドイツの脱税防止強化法案」

アメリカの個人の家計資産は1年で600兆円減。

ビッグスリーは年越しすら危ぶまれ、
トヨタも初の営業赤字見込み。

1年前に誰がこのような状況を予想したでしょうか。

こういう状況だからこそ、ちょっとでも税金の支払いを少なくしたいと思うのが
人情です。

でも、それは許されることではありません。

このような経済が危機的な状況の中、
ドイツでは脱を取り締まる法律を強化しています。

脱税額が1300万円を超えると禁固刑にするという法案が出ています。

日本では1億円以上の脱税だと手が後ろに廻ることになりますが、
もし1300万だと結構多くの人が前科者になるのでは。

この風潮はフランスでもあるようで、
ヨーロッパの脱税に対する引き締めが強化されるかもしれません。

もともとヨーロッパは納税意識が高いと言われています。

これは革命で血を流して民主化した歴史があるため、
社会を自分たちが運営しているという意識が強いからと言われています。

ひるがえって日本はというと、
毎日のように巨額脱税・申告漏れが報じられています。

12月に入ってからだけでも
司法書士が9000万脱税、
ライブドアの子会社が35億円の申告漏れを指摘され、
「ガンが治る水」で宗教法人が17億円申告漏れ、
資産を海外に隠す手口での脱税は過去最多の308億円。

挙げればキリがありません。

こうなると日本でも悪質なものは罰則を強化することも必要なのかもしれませんね。

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2008年12月23日

【12月23日号】  「トヨタショックの影響」

そんなことが本当にあるの?!

日本中が驚きました。

日本の製造業の雄、トヨタが戦後初の営業赤字になったニュースです。

これは一企業が赤字になった、ということでは済みません。

トヨタを含む「自動車産業」は日本の柱なのです。

自動車産業に陰りが出れば関係する会社すべてに影響がでます。

鉄鋼、電機、素材、工作機械、エネルギー・・・。

本当に多くの業種に悪影響が出ます。

「生産波及力」という指標があるのですが、
自動車産業の需要が1増減すると関連産業の生産は3.22倍の増減があるそうです。

これらの企業の業績が悪化すれば、まず法人税はダイレクトに下がります。

そして企業の業績が悪化すると賞与のカットやリストラが進めば給料も減りますので、
所得税も下がります。

給料が下がれば買い物が控えられますので消費税が下がります。

さらに小売業者も売れなければ法人税や消費税、所得税が下がります。

主要な国税だけでなく、住民税や事業税なども減ります。

日本中で税収が減少するのです。

今回のトヨタの発表は来年の「税収激減予告」です。

ただでさえ危険な状態の日本の財政は持ちこたえられるのでしょうか?

本当に心配になります。

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